テストパッケージの開発とデバッグに応用する

プログラムとインターフェースなどの開発とデバッグ:
担当技術者自身が難局面を打開して解決へと向かうには教科書的な(言語や理論による)論理思考だけではなかなか壁を越えられない事があります。
 このセミナーでは技術者がテストパッケージの作成やデバッグ時の壁や困難さに直面したとき堂々巡りの悪循環から抜け出せるよう、マインドセットによる解決法を学びます。
  テスタにおける問題解決を念頭に置いています。しかしながらプログラム開発や不良解析の局面で、あなたが解決したいと思う場面でも応用可能です。 若手の方は発想の転換で得た結果・方法に関して必ず経験者や上司のアドバイスをもらうようにしてください。

発想の転換のために

開発とデバッグ時の発想の転換:
このセミナーに参加されているあなたは技術者として、すでに仕事で左脳の反復使用を続けていると思います。
 (技術)教育では特に言語、数学、科学の学習を主に受けてきたため、自然と左脳を多く使う状況になっています。
 特徴として左脳は言語と理論で論理的に思考し、計算し、記憶します。演算のバッファ領域が限られるため、処理が終わるとすぐに忘れて(リセット・クリアして)しまいます。覚えているためには定期的な反復が必要ですし、能力の維持には継続的な努力が必要です。
 さらに肉体的な特性から、意識集中には緊張が必要で、疲れやすく、ストレスがたまりやすいなどの特徴があります。

先ず右脳の特徴をみてみましょう。左脳が直接意識する顕在意識脳なら右脳は本能的な感覚や直感で処理をする潜在意識脳です。
 イメージ的な処理を得意とし、大量の情報を超高速に処理し、極めて許容力の大きな記憶領域をもっています。
 また創造性、空間構成、感情表現に係わっています。
 現象を理解できない局面やストレスを感じながら、どう対処してよいか迷ったり、アイデアが出てこない、壁を越えられない時など発想の転換をすべき場面がたくさんあるはずです。
 そんな時積極的に視点を変え発想の転換を図りましょう。(量産の現場では社内基準とノウハウを理解しておく必要があります)

デバッグのブラックホール

開発とデバッグ時のデバッグのブラックホール:
以下のことにひとつでも思い当たったら、あなたには右脳を活用する十分なチャンスがあります。(ぜひ活用してください)
‐XXXのせいでうまくいかないんだ。(責任の転嫁)
‐こんな方法で上手くいくだろうか?(疑いと不安)
‐この方法でよかったんだろうか?。(選択の迷い)
‐終わるまで徹夜してでもがんばっていくんだ。(楽は悪だ)
 これらの考えが浮かんだら積極的に発想の転換を計る機会だと考えましょう。ただし量産の現場では経験者の指導を必ず受けてください。

経験者や上司のアドバイスを参照する

経験者や上司のアドバイスを参照する:
明確な予想からは安定した確度の予想できる測定結果を導ける可能性が高くなります。
 曖昧な(自信のない・迷いのある)予想からは不安定で不確かな測定結果を導く可能性が高くなります。
 あなたの測定に対する考え(思考実験)があなたの実際の測定結果に結びつく可能性が高いのです。
 目的意識と明確な予想に基づいて行動しましょう。得られた結果は経験者の意見を参考にしましょう。

事例:
 曖昧な予想によるDIBの設計と製作、デバッグの時に関る事例を見てみましょう。
 あなたは高精度ADCのDIBのデバッグをしています。自分で設計をして、作成は外注にだしました。デバイスの直前にアクティブなアッテネータを設けることにしました。20dBで良いと考えていましたが、万が一DIB上のデジタルチャンネルのクロストークやノイズの影響がでることを考え、製作中の業者に電話をいれます。オペアンプの抵抗分割の部分に切り替えリレーで追加の抵抗をいれ、40dBの変更をできるように変更を依頼しました。 
 この指示ではどのような注意すべき点がありますか?
 その後の成り行きに禍根を残さないよう、遠慮なく経験者や上司のアドバイスをもらいましょう。

強い思い込みや一人よがりを避ける

強い思い込みや一人よがりを避ける:
あなたは思い込みや出荷優先に捕らわれると、設計検証や量産検証をすり抜ける可能性があります。
 強い思い込みは説得力を生み、製品は次の段階へと進みます。そして結果は先送りされ、最終的な市場で不良となって帰ってきます。思い込みが強いと周りの判断まで引きずってしまう例となります。避ける必要があります。
 あなたが出荷優先のため測定結果を、自分だけで囲い込んだ場合も市場が要求する製品の品質を実現できません。囲い込んだ結果として望ましい判定は先送りされる事になります。更なる囲い込み(相談や検証をさらに先送りする)の循環はどこかで破綻します。

事例:
 実際のDIBの設計と製作、デバッグの時に関る事例を見てみましょう。
 最近のMixedデバイスでは周波数特性が高いところまで要求されるのでグランドのインピーダンスを下げることが重要です。あなたは図面には指示なかったシールドワイヤの処理を外注から質問されました。
 「近くのグランドプレーンになるべく多く落としてください」
 この指示は正しいですか?この時注意すべき点が他にありますか?

感情の強い影響

感情の強い影響:
 上手くいくはずだった
 あなたがなにかイメージを浮かべた時、感情が強く影響することがあります。
 例えばあなたが社内の技術発表会で高い評価を得たいと考えています。前夜はプレゼンテーションが成功する場面を考えながら眠りにつきましたが、最後にちょっとした不安がよぎりました。「突っ込んだ質問がなければいいのに」
 当日は説明が順調に終わり、質問に入りました。一瞬の静寂が会場を包みます。「よかった質問はなさそうだ」と演壇を降りようとした時、会場の参加者からさっと手があがります。
「なんだか不満そうな顔だ」あなたは不安に襲われます。
「なにか突っ込みのある質問をするのではないか?」
さらに不安があなたの脳裏をかすめます。
 予感はあたりました。データの検証方法に関して疑問の声が上がったのです。あなたは落ち着いて質問には答えましたが、質問者と審査員を納得させるにはいたりませんでした。
 これは考え方なので、落ち着いて応えられれば合格と言えるかもしれません。運を呼び込むとの格言がありますが、そう考えると不安をなくしておくことの大切さが思い浮かびます。
 私の経験でも心配するくらいなら少しでも睡眠をとった方が、翌日の発表は良い結果がでました。

技術者の良心が導く結果

技術者の良心が導く結果:
 あなたの得た測定結果が(技術者の良心に沿っており)真理に十分近い場合、周りからの正当な評価を引き出します。この評価はさらに評価を高める循環を生み、多くの人に受け継がれ、確立していくことになります。
 さらに測定結果を得た手法を自分のためだけでなく、標準化やライブラリで結果をシェアしたとします。この献身はグループや会社の成長に貢献し、結果としてあなたを次の成功へ導く橋渡しをしてくれます。
 あなたの同僚や上司、会社に成功が受け継がれます。あなたのもたらした結果は周りからの共感を呼び寄せるからです。

主要テスタの構成
Tester1のテスト構成
Tester2のテスト構成
Tester3のテスト構成
Tester4のテスト構成
Tester5のテスト構成
ローエンドテスタの構成
ローエンドテストの基礎技術@
ローエンドテストの基礎技術A
ローエンドテストの基礎技術B
RF変調波形のEVM評価法
EVMの定義
EVMの基本測定例
ATEによる側定応用例1
ATEによる側定応用例2
EVMの不良解析フロー
RFデバイスの新しいEVM測定手法
RFのCAEによるモデルの評価・量産テスト
RFパワーアンプのモデルによるEVM測定手法
RFパワーアンプの伝達関数のモデル
RFパワーアンプの伝達関数の測定例
RFのCAEによるモデルと変復調方式の比較
ACテストの基礎 アナログ法
ピーク値、平均値、実効値
波形の比較を定義
デシベルの定義
ゲイン
ゲイン:入出力電圧比
電圧メータ:VU計
ゲイン測定
低レベル入力のゲイン測定
周波数特性測定(入力固定)
周波数特性測定(出力固定)
S/N比測定
S/N比測定(聴感補正)
歪率測定(全高調波:周波数選択)
歪率測定(全高調波:周波数可変)
混変調歪測定(CCIF法)
クロストーク測定
オペアンプの基本構成
オペアンプの基本構成 
シーケンスDC測定の基本動作と構成
シーケンスDC測定の基本動作と構成
組み込みメモリテスト
アルゴリズミックパターン例
テスタ構成例
失敗を重ねないために
失敗しても安全に
失敗にしないでしのぐには
危なくなったら働く仕掛け
右脳を活用するとは?
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